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ペテルブルグの寒くて暗い夜

きのう私は幸福でした
外套の襟から見上げた夜は私に「生きろ!」と言い
銀貨1ルーブルの心をもてあそぶ意地の悪い風は
凍てついた往来の内側を闊歩し
私の指間をゆっくりと過ぎるのです

構内にあるサモワールはうれしそうな音をたて
待ちぼうけと暮らす私を暖めるのです
クリスマスの夜に降る星になにを願おう
いつも天秤の片方にそれを乗せ
今日の幸福の度合いを確かめるのです
「生きろ!」という誰かの声
それは私自身の鼓動なのか
わからない
だから唄うのです

約束を抱えた老婆は空を見上げ
街の自由に群がる黒い鳥を指差すのです
バラライカのむこうに迫りくる明日は灰色で
立ちはだかる今日の壁に老婆は顔を埋めるのです
「生きろ!」という誰かの声
それは私自身の鼓動なのか
わからない
だから唄うのです

きのう私は幸福でした
そう想えば今日も生きられるのです
ペテルブルグの寒くて暗い夜
遠く ドストの声が聴こえ


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00:46 | VERY VERY !!! | comments (5) | page top↑

風を眺めて暮らす朝には

難しくなる生き方でした
簡単に生きていけたらいいのでしょうが
それができないわたしでした
朝焼けの向こうに何色の今日があるのでしょう?
想うだけで淋しいのです
「わたしより好きな人がいるの?」と
問いかけてばかりの毎日でした


凸凹なこころですから陰ができました
わたしはいつもその陰に隠れて生きてきました
水を飲んでも喉は渇きました
カサカサになったわたしの声は届いたのでしょうか?
それとも届かず川の水になったのでしょうか?
「わたしよりも好きな人がいるの?」と
いつも泣いてばかりの毎日でした


ときおりわたしの庭にくる風がありました
風はわたしの髪を撫で 軽く肩をたたき
わたしをテラスの白い椅子へと誘うのです
風は 唄い 奏で 佇み そして
病のようなわたしの胸にまた凸凹をつくるのです
「わたしより好きな人がいるの?」と
手のひらに書き記す毎日でした


あれはブラームスの子守り唄でしょうか?
とても静かな調べでした
眠ればおそらく見えてくる朝に
わたしは何を求めましょう?
風を眺めて暮らす朝には
「わたしより好きな人がいるの?」と
わたしだけの朝に問いかけるのです



22:45 | VERY VERY !!! | comments (6) | page top↑

9月の空に

こんな空っぽの頭でも
考えることだってあるんだ
部屋の真ん中に座っていても
空の青さはわかるんだよ
屋根の上の独りぽっちの雲
今にも泣きだしそう
さっきはぐれた小さな雲を
きっと探しているのだろう


君が泣くのを待ってるみたいで
なんだか胸が痛いんだ
見て見ないふりをしてるのが
一番らくでいいのだが
君とはぐれたかわいい雲は
きっと帰ってこないと思う
だって通りすがりの気ままな風に
ついて行ってしまったのだから


いつかまた別の空で
出会うこともあるだろう
屋根の上の独りぽっちの君に
きっと気付いてくれるだろう
雲は少しだけほほえんで
君の上をゆっくりと歩きながら
そうだ!いつか共に旅した9月の空を
想い出すのかもしれない

02:00 | VERY VERY !!! | comments (18) | page top↑

アイオワの虹

9度目のコールでやっと出たワイフは
眠そうな声で「おはよう」と言った
朝焼けに染まる三角の屋根をめざし
ぼくは500マイルの道を走ってきた
かげろうが立つこの道
帰る家があるのだ

ボンネットを撫でる風は痛いぐらいで
心にできたかさぶたを冷やかそうとする
昨日の夢も今日の道も
明日に架かるあの虹のようだと

草を食むぼくたちの馬が見えたら
もう一度きみに電話をしよう
「もうすぐ着くよ」と
2度目のコールで出たワイフの声に
ぼくは震えるほどのやすらぎを見るのだ



今日はゆっくり休もう
徹夜してこさえた2人乗りのブランコ
朝までいよう そして
3つ目の椅子を ちいさな椅子を
いつか きっと

乾ききった空に浮かぶ
きみによく似た虹色の雲
そこを渡って行ける場所に
腕組みをしたきみがいる

少しだけ手を振ってくれ

ぼくは
それだけで
生きられるのだ


09:00 | VERY VERY !!! | comments (13) | page top↑

無垢の歌

でくのぼうみたいな水銀灯に
酔っぱらいがしがみついてる
ネクタイが風にヘラヘラと笑い
折れた黒いコウモリ傘を持って
ほらほら油断しないほうがいい
やつらは自分に降りかかる雨さえ
しのげればそれでいいんだから
あんたなんか素っ裸にされちまう
路地裏のちょっと怪しい酒場じゃ
ブローカーたちが高価な酒を飲んで
街角では娼婦が男たちの手をひく
まだまだ眠らない抜け目のない街で
ねぇ それにしても娼婦は恋をしないのか



言葉は激しい風のようで
ザラザラと神経を舐めあげる
さっきまでの雨がまるで嘘のように
気まぐれはいつも女だけじゃない
ミリオンセラーのステキな歌を
路上に座りこんだ天使たちが唄う
奥歯に何か物がはさまって
天使たちに「ありがとう」も言えない
自分たちの言葉や魂の叫びは
いったいどこまで飛んだんだろう
いつだったかマルクスやヒットラーだって
自分を唄うのに躍起になってたのに
ねぇ それにしても天使たちは夢を見ないのか



偽善者は雨に汚れず
正直者はどしゃ降りの中
壇上の黒服の男は酒臭い息をして
陪審員は今日も緊張感が無い
ドロボーがようやく眠りだす時間に
法廷では激しい裁きの雨が降る
今じゃ警官だって弁護士だって
何をしでかすかわからないというのに
産れくる赤ん坊は揺りカゴの中で
怯えながら何を夢見るのだろう
赤ん坊は揺りカゴの中で殺してしまえばいい
君の未来に同情してしまうから
ねぇ それにしても人は生きようとしているのだろうか



笑顔ほど曖昧なものは無く
人はみんな何枚も舌を持っている
ホームレスだって政治家だって
誰れよりも自分が好きなんだから
ほらほら油断しないほうがいい
あんたなんか素っ裸にされちまう
ポケットの夢や背骨まですっぽり抜かれて
まるであんたの黒いコウモリみたいだ
ポツポツと街に黒い雨が降る
今夜はいったい誰れの番だろう
街角の号外に雑じって
誰れかが唄うブルースが聴こえる
ねぇ それにしてもなんて淋しい声なんだろう


08:01 | VERY VERY !!! | comments (2) | page top↑

緞帳役者のうた

無精ひげの緞帳役者は
幕が降りた舞台のそでに正座する
そして空になった客席を舐めるように見渡し
溜め息をひとつだけつくのだった
いつまで続く旅なのか
問いかけるように

片手には過去のあやまちを持ち
もう片方の手には粉になった夢を持っていた
ざんげは似合わないと思い
おどけてばかりいる緞帳役者
無礼とも言える溜め息を
空のホールに響かせて

明日の朝いちばんの汽車に乗り
飛んで行きたい場所がある
幸せをぶらさげて帰る家
この国のどこにあるのだろう
無精ひげの緞帳役者は
そんな毎日を抱きしめる

暮らしは決して楽じゃなかった
ポケットの奥で想いだけが膨らんだ
こぶしの中に突き刺さる「チクショウ!」を
いつかいつかと繰り返す
きみは虹を見たことがあるか?
乗り越える橋のような

外套の襟をたてて
いつかここから抜け出そう
誰もいない駅のホームで
まだ見ぬきみと抱き合おう
「発車しますよ!」と車掌の声がする
繰り返すキスを見せつけてやろうか

無精ひげの緞帳役者は
幕が降りた舞台のそでに正座する
そして空になった客席を舐めるように見渡し
溜め息をひとつだけつくのだった
いつまで続く旅なのか
問いかけるように

ああ!

00:30 | VERY VERY !!! | comments (10) | page top↑

スロウ

僕の知っている君はそんな弱虫じゃない
愚痴ばかり食べて生きるそんな奴じゃない
口惜しさは君にこぶしを握らせ
優しさは君の涙腺をゆるませるはずだ
「頑張れ!」と言えば横を向く君だから
僕はそれを口に出さず願うだけにする
そう
スロウ
ゆっくりと踏み出そう
噛みしめるように歩こう
振り返り 初めて気づく君の途上に
あした咲く花の 種子を植えるとしようか


動かない君の横を風が過ぎることはない
だからせっかく流した汗だって乾かないのだ
言い訳は捨てなくてもいいからポケットにしまおう
時々眺めてもいいが懐かしむだけでいい
「駄目だ!」と言えば口を尖らす君だから
僕はそれを口に出さず願うだけにする
そう
スロウ
ゆっくりと踏み出そう
噛みしめるように歩こう
振り返り 初めて気づく君の途上に
あした咲く花の 種子を植えるとしようか


君の肩に舞い降りるのはきっと僕じゃない
結晶のようにも見えるがそれはきっと君の魂だろう
凍えそうな街にジングルベルが聴こえる
君は独りなんだと 思い知るがいい!
「愛してる!」と言えば泣き出してしまう君だから
僕はそれを口に出さず想うだけにする
そう
スロウ
ゆっくりと踏み出そう
噛みしめるように歩こう
振り返り 初めて気づく君の途上に
あした咲く花の 種子を植えるとしようか
そう
スロウ
09:12 | VERY VERY !!! | comments (10) | page top↑
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