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時間つぶしと公園のベンチ

風船を追いかける少女
背伸びしても届かない白い風船
ふわふわ浮かぶ自由のように

「追いかけても無駄だよ」と
少女の母親が笑う
膨れっ面の少女の眼に雨が降りそう
「帰るわよ」と腰を上げる母
公園の平和を壊す鬼のよう
少女は空を見上げる

営業マンは自由を見失った少女に同情した
鬼になった母親のみょうに冷めた横顔を見た
業績の上がらない日報にこんな結末はない
「せめて少女に夢を売った」と
報告書の欄を青い文字で埋めなければ



風の色を確かめる老婆
幸福を運ぶ風はどこにあるのか
車椅子のそこからは見えず

「風邪ひいたら大変よ」と
介護福祉のスタッフが笑う
色のない老婆の眼に従うだけの日常
「帰ろうね」と時計を見ながら事務的な声
公園の土の上に車椅子の跡
老婆の背はとても丸い

営業マンは従うだけの老婆に自分を見た
もっと心を扱う仕事を探そうかなと思った
何よりも無機質な求人誌の表紙に傷をつけて
「バカヤロー!」と こぶし固めた
報告書の欄にバカヤローは書けない


   風船を追いかける少女


   風の色を確かめる老婆


時間つぶしと公園のベンチ
業績の上がらない営業マンがいた



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16:27 | VERY GOOD !! | comments (2) | page top↑

約束の地

ぼくたちが目指す約束の地は
かげろうが立つあの丘の上にある
ひき返すことのないトンネルのような小径に
柔らかなゴムの跡を残して

約束の地
それは
まだ少し遠い

ゆっくりと走るぼくたちの夢は
かけがえのない大切なそれとは違う
追いつめられたら消えてなくなればいいと
なげやりなそれに似て

約束の地
それは
まだ少し遠い

想えば想うほど辛くなる恋は
祝福の鐘には遠いさすらいの雲のようだ
やすらげるときは君の居場所を確かめるとき
嘘のない嘘に囚われながら

約束の地
それは
まだ少し遠い

そこへ行けば結ばれるのか
あたためた歌をきみのために唄えるのか
ふたり寄り添う窓のある部屋と一枚の毛布を
今夜 箱につめてそこに送ろう

約束の地
それは
まだ少し遠い

ぼくたちが目指す約束の地は
かげろうが立つあの丘の上にある
ひき返すことのないトンネルのような小径に
柔らかなゴムの跡を残して

09:19 | VERY GOOD !! | comments (2) | page top↑

リストカッター

駄目だよ
それじゃあ
ギターが弾けない

きみの好きな人に
捧げる歌を作ってほしい
そしてきみのその左手から生まれる
和音に魂を入れてほしいのだ

5線譜のようなきみの手首に

駄目だよ
そんなんじゃ
ギターが弾けない
05:51 | GOOD ! | comments (8) | page top↑

丸い傘に隠れて

なかなかやまないな
この雨 いつまで
素直になればいいのに
ぼくも 君も

ちいさい鼻が好きだよ
自信がないように見えるが
もう ぼくは君だけの
君は もうぼくだけの

煙草をやめた君と
今なら長いキスができる
丸い傘に隠れて
仲直りのキスをしよう

クラクションのような雨
冷やかしはよしてくれ
泪なのか 雨なのか
ぼくには わかる



丸い傘に隠れて
仲直りのキスをしよう
05:09 | VERY GOOD !! | comments (0) | page top↑
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