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ぼくの朱色は

ぼくを抱きしめるぼくを
君は窓に腰かけ眺めている
ぼくの手首からは朱色の汗が流れて
ここに居るよとぼくは君に媚びたりした
ここに居るよとぼくは君に媚びたりした

君は眉間にしわをよせて
不愉快そうに煙草を吹かす
出来事のようなぼくの朱色を
灰皿の上でひねりつぶして

二度目の夕焼けは怖くて見れなかったが
三度目の夕焼けなら余裕で見ていられた
いつものことだと笑う君はきっと
麻痺した舌をひきずるぼくを知らない
麻痺した舌をひきずるぼくを知らない

君は眉間にしわをよせて
不愉快そうに煙草を吹かす
出来事のようなぼくの朱色を
灰皿の上でひねりつぶして

ぼくは大人げないが恋をしていた
ひとりじめできない君を好きになった
ぼくの歌は窓の下で待つしもべのように
かじかんだ指にそっと息を吹きかけ
かじかんだ指にそっと息を吹きかけ

君は眉間にしわをよせて
不愉快そうに煙草を吹かす
出来事のようなぼくの朱色を
灰皿の上でひねりつぶして

十階の窓から飛び降りるしぐさをした
ちらりと見たが君の興味は他にあった
見て見ないふりの君は本当に素敵だ
地面に散らばったぼくの朱色を
地面に散らばったぼくの朱色を

君は眉間にしわをよせて
不愉快そうに煙草を吹かす
出来事のようなぼくの朱色を
灰皿の上でひねりつぶして

ぼくの朱色は


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03:00 | VERY GOOD !! | comments (4) | page top↑

話をする老人

大好きな場所があった
黄色い葉っぱが敷き詰める細い道だった
斜めから射し込む光がまぶしい
アスファルトの小径に

古いカントリーマンが停まっていた
絵を描きに来ている老夫婦の車だった
ここから見える農学部の旧校舎
馬の手入れをする学生がいた
子供のように喋る老人
うれしそうに筆を滑らせながら

わたしはポプラの根に腰かけ
ふたりの話を聴いていた
かれらの眼は優しかった 
総理の髪型は変だとか 相撲の話
若いころの自慢や年金の話まで
とくとくと喋り続けるのだ

何年経つだろう
相変わらずわたしはここにいた
10インチのタイヤをまとうカントリーマン
かれらの饒舌が聴こえない
ふたり描いた絵のように
そこに収まる構図があった
今日も馬の手入れをする学生がいた



いつまでも夢を追いかけているわたしは
団欒とよばれる場所を探していた
年老いた母はわたしを探し
かつて自分だったわたしに話かけるのだ
わたしは夢を食んで太るばかりで
母の話に耳を傾けようとしない
母はうわの空のわたしに話すのをあきらめ
なにも喋らない口になる
花麒麟のてっぺんに花が咲いたとか
給付金で炊飯器を買ったとか
ささいな出来事を話すあの老夫婦のように
とくとく とくとく
わたしに話かけるのに

悔いていた
もっと母の話を聴いてやろうと思った
わたしがいまそうであるように
母は話がしたいのだ
話をしよう
もっと話をしよう
そうだねそうだねとうなずいて
そうだねそうだねとうなずいて
そうすればきっと
そのちょっとした時間を
母は楽しみに生きられると思うから



好きな場所があった
黄色い葉っぱが敷き詰める細い道だった
わたしはあの饒舌が聴きたかった
絵を描きながら喋るあの老夫婦に会いたかった

話をする老人

アスファルトの小径にモノクロの影
眼を閉じて溜め息をひとつだけついてみる

想い出は
色褪せることはない
想えば想うほど
それは輝き
想えば想うほど
それは

小径を歩く凸凹の影がある
イーゼルを抱え 寄り添うように
とくとくとくとく喋りながら
とくとくとくとく喋りながら
すリ切れた古いネガの中を
モノクロのネガの
00:52 | VERY VERY !!! | comments (5) | page top↑

リバーと呼ばれる街

リバーと呼ばれるそれは
ひとの集まる街を指し
そこに息する男たちの歌を
河のように抱きしめた

男たちは立ち止まることなく
次の街まで車をとばす
きのう抱いた女にウインクをし
くしゃくしゃになった心
河のように抱きしめた

流れるのは水ではなくて
移ろう心の居場所をいう
男たちはいつも夕陽を追いかけ
取り憑かれた狼のごとくアクセルを踏む
振り返る道に立つかげろう
河のように泣きじゃくる

リバー
男たちの河
横たわる悲しみの歌
リバー
男たちの河
横たわる悲しみの歌


守るべきものがあるなら
ここに留まるしかない
風のように生きる男たちの眼に
安堵する時は宿ることなく

また今日もここに降りてくる
げんこつに歌をたずさえて
腕まくりのシャツに染み込んだ暮らし
河のように泣きじゃくる
河のように巡りくる

リバー
男たちの河
横たわる悲しみの歌
リバー
男たちの河
横たわる悲しみの歌


リバーと呼ばれるそれは
ひとの集まる街を指し
そこに息する男たちの歌を
河のように抱きしめた


01:36 | VERY VERY !!! | comments (8) | page top↑

ぼくはいつも君のそばにいて

背中の凹んだロバを見た
かなしい眼をしたロバだった
働き続けた頑丈な足と
けして弱音を吐かない口と


ぼくはこのロバに自分を見た
頑張れとは言えなかった
せめてこのロバに友達でもいて
むかしの夢でも想い出せたら
あの日の歌を口ずさむ朝があったら


君はどこへ行くのか
下を向かずにこっちを向いてくれ
ぼくは今日辞表を出して
君と歩くことにする
君が老いて
背中が凹んで
眼が遠くなっても
ぼくはいつも君のそばにいて
ぼくはいつも君のそばにいて
09:47 | VERY GOOD !! | comments (2) | page top↑

道ばたに落っこちてる自分を

なつかしい道があった
なつかしい花が咲いていた
見知らぬそれではないが
一方的な感情だった

きみは笑っていた
おれのどこを見てるのか
変わり果てたものとして それを
こころのどこで笑ったのか


きみに会えてよかった


おれはどこ吹く風になった
きみの眼に映るおれは意味のある風か
少しながい握手は落胆の溝を埋めた
そうかな おれは苦しい

道ばたに落っこちている自分を
蹴飛ばしてみたくなった
痛いほどの力は後悔のほこりを
縁石の端っこに追いつめるだろう


きみに会えてよかった


あの頃とちがうものを探した
だけどなにもかも色褪せただけで同じだった
おれの過去にある色褪せてはならぬものを
きみは取り出して笑ってくれたのだ

友情なんて清い言葉は
どこまでおれを追いつめるのか
捨てきれぬ夢を抱えたおれは
道ばたに今日も落っこちていた


きみに会えてよかった




10:22 | VERY GOOD !! | comments (2) | page top↑
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