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ただ笑うだけの春だった

ぼくの下書きには
消しゴムで消した跡がある
凸凹した鉛筆の跡
喜怒哀楽をしたためたぼくの下書き

何度も消した下地は
ささくれたアスファルトのよう
雨はそこに沁みて
風は笑うように過ぎる
出来上がりを見てほしい
ぼくはここにいる

アートに架かる橋の上に
過去を抱いた春がいる
忘れようとしたあの日の歌
今また取り出して唄う
春に向かって手を振ると
ただ笑うだけの春だった


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00:11 | VERY GOOD !! | comments (0) | page top↑

ノイローゼ

人間は急に別人にはなれないのだよ
こころを入れ替えると言っても
そうなった人をわたしは見たことがない

こころを取り出して見れば解ると思うが
それは決して無色とはいえない
表と裏の色のつきかたが違う奇妙な置物だ
それに色をつけようとすれば
それなりに人を裏切る必要があるのだろう

なぜなら
人は自分のこころに服を着せて
そのたび別人に成りすますだらしない生き物だからだ



12:39 | GOOD ! | comments (2) | page top↑

アルニコの夜

わかりきっていること
それは口に出さなくてもいいこと
いいかげんな奴らと肩を並べて
いつまでここにいよう

アルニコの音をどこに響かせる
誰の胸にでも響くものを
ぼくがかつて捨ててきたものを
今また思い出してる
どこにも隠れることのできない
隠れようとしない『素』であればいい
もう帰りたくないと思う

ぼくを駄目にしようとする時は終わり
これからがぼくになる時だと唄う
アルニコは時を巡り
忘れものを探すための旅にぼくを誘いだす
「忘れものなんかないよ」
かすれ声のような言い訳をする
ぼくはどこに何を忘れたのだろう?
おきざりのような後悔を知る

もっ早く気づけばよかったのに
もっと早くここに来ればよかったのに
うねるような『素』はぼくの胸に
いつまでも響くのだ

もう帰りたくないと思う
ぼくを想うアルニコの夜に






12:59 | GOOD ! | comments (10) | page top↑

ある雨の日の風景

「夢の続きはどうしたの?」と
ぼくの純情が叫んでいる
ぼくになることを放棄したわけではないが
もうしばらく飛ぶような夢は見ていない
「ガンバレ!」と言えば横を向いてしまう純情
金縛りを解いてやろうか


ルノア通りの石の舗道に
染み込むような雨が降っている
雨宿りにちょうどいいカフェの軒先で
鼻の赤い犬を連れた老人に会った
「いつまで降るのかしらねぇ?」と
老人は犬に訊いている
「通り雨ですよ、きっと」と
ぼくが言うと
「そうなんだって・・・」と
犬に問いかけた


ぼくは老人のかけている丸いメガネと
黒いニットの帽子を眺めていた
白いベンチの下にもぐりこんだ犬
空に浮かぶ雨の粒を眺めてくんくんと鼻を鳴らした
ぼくはバスをひとつ見送ることにした
手を振って車掌に「いいです。」と言った
老人は犬の鼻をいじりながら
「いいです,だって・・・」と
また犬に問いかけた


「夢の続きはどうしたの?」と
ぼくはしゃがんで犬に訊いてみた
鼻の赤い老人の犬は不思議そうな顔をした
老人は笑いながらぼくにこう言った


「夢の続きはどうしたの?」


ぼくはカフェの軒先でサヨナラを言った
雨宿りにちょうどいい日曜の朝だった
「すこし小降りになったわねぇ」
老人と犬はゆっくりと歩いて
ルノア通りを下っていった
歩道橋の前で老人は犬になにか話しかけている
「夢の続きはどうしたの?だって・・・」
そんなふうに口が動いたように思う
ニットの帽子が小さくなった


母に似ていた




19:00 | VERY GOOD !! | comments (6) | page top↑

ノートを作ろう

真面目なノートを作ろう
まるごと青春
風は今日もいたずら
ページの上で遊ぶ

カフェオレのように甘い
ポエムは指を噛んで
「待ちぼうけはこめんよ」
手招きして春を呼ぶ

曲のつかないポエム
話し合いが必要?
「あなたの歌詞になりたい」
どうする? ぼくの純情

真面目なノートを作ろう
春にちょこんと腰掛け
かなり遅い桃色の
ノートを作ろう



22:44 | GOOD ! | comments (4) | page top↑
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