スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- | スポンサー広告 | page top↑

暮らし

「大丈夫さ」と強がっても
雨は私の肩を濡らした
傘は持っていたが

地下鉄駅から徒歩二分のマンション
暮らし始めて十年になる
サンダルをひっかけてコンビニまで手をつなぎ
そうだな . . . . .
君と暮らすために買ったこの家
ベランダに君の残したサンダルがある

手にぶら下がる革のカバンは
私の日常を知り尽くしていた
随分くたびれた彼は
汗のしみた取っ手と歩く そして
家と会社の往復を繰り返すロボットのような
感情のない私の理解者になる
可哀想と同情すれば
投げ出してしまいそうな気がした
だから 今日も明日もあさっても ずっと
友と決めた彼を持ち歩くのだ

私の靴に休日はなく
何度も張り替えたソールは悲鳴をあげていた
アスファルトの冷たさを愚痴ることなく
彼は今日も私の膝を支えている
泣き出しそうになる私の中の少年を
なぐさめ 諭し 導いて
歩かせてくれたのも彼だった
たまには磨いてあげなければと
だから 今日も明日もあさっても ずっと
友と決めた彼と歩くのだ

私の腕にある時計は
止まることなく時を刻んでいた
寒暖の差を知らせる能力はなかったが
彼の律儀な優しさは動かない私を動かした
思いやりのない私は腰を上げず
「時間」という宝物をもてあそぶ
思い知る後悔のまん中に立ち尽くす少年
ああ!後戻りするゼンマイがあればいいのに!
だから 今日も明日もあさっても ずっと
友と決めた彼を連れて歩くのだ

ベランダに君の残したサンダルがある
笑い声が聴こえたような気がした
固めようとした「暮らし」が
雨に濡れていた

「大丈夫さ」と強がっても
雨は私の肩を濡らした
傘は持っていたが
23:43 | VERY VERY !!! | comments (10) | page top↑
私の夢 | top | 青春というリアル

コメント

# こんばんは
鞄、靴、時計といった男性にとってのアイテム(軽い言い方ですいません)が、こうして命を吹き込まれていくんだなぁという事がとても伝わっってきました。
それは、全く無条件で「受け入れ、見守り、共にする」、同志のようなものでしょうか?
もの言わぬ「自身」でもあり、歴史」でも?
うん、ため息をつかせていただきました。
ありがとう。

by: nora | 2008/11/23 18:54 | URL [編集] | page top↑
# noraさん
モノは使い込んで魂をいれる。
愛着も湧くし教えられることばかり。
身を固めることのできない男の淋しい詩ですね、これは。
「君」がいない空っぽは「モノ」では埋まらない。
そんな心の渇きを表現できたらと。
HOBO
by: Mr.HOBO | 2008/11/23 19:36 | URL [編集] | page top↑
# No title
コメント有難うございます。
HOBOさんは、ウクレレ3コードキングですね
お仲間応援ポチです。

女性は家を出る時、大概の持ち物は、
寸分の狂いも無く持ち出すのに、
なにか一つ残していくものが有るんですよねぇ。
私にも経験が有ります。
思い出して、身につまされました。

また遊びに来ますね。それでは。
by: 金魚参番 | 2008/11/24 06:51 | URL [編集] | page top↑
# 金魚参番さん
いやー、来てくれたんですね!
まあ、ウクレレの上達と残りの人生と
きっと、コード覚えるころには黄昏かな。笑
ぼちぼち頑張っていきますね。
どうも有り難うございました。
HOBO
by: Mr.HOBO | 2008/11/24 09:43 | URL [編集] | page top↑
# またまた渋いです(>_<)
いやーさすがHOBOさんの描く世界観ゎ
渋くて大人の色香がでてますね^^

男性を象徴するアイテムを使って見事に世界観とマッチさせている
その表現力に感動します

そして
「傘は持っていたが」
の余韻が素晴らしいです(>_<)b
by: 愛音 | 2008/11/24 22:35 | URL [編集] | page top↑
# 愛音さんへ
大人の色香ですか!
老人です。
こんなのしかできないのです。
愛音さん、なんかコラボやってたからコメント
ひかえてましたよ。
お邪魔しますね。
HOBO

by: Mr.HOBO | 2008/11/24 23:31 | URL [編集] | page top↑
# No title
こんばんは。

>傘は持っていたが
男性の美学に通じるような余韻を残していますね。
やせ我慢なところは、美学でもあり
天邪鬼のようでもあり(笑)
HOBOさんの選んだ生き方なんでしょうね。
by: きょう | 2008/11/25 22:13 | URL [編集] | page top↑
# きょうさんへ
生き方ね、んー、そうなんだろうね。
頑固だからね,HOBO。
やせ我慢ね、きょうさん、よく知ってますね。笑
美学だね、やせ我慢。少年だから、HOBO。
あり方みたいなね。
いつもありがとう!





by: Mr.HOBO | 2008/11/26 00:59 | URL [編集] | page top↑
# No title
こんばんは。(固めようとした「暮らし」が/雨に濡れていた)心に響いてくるのはこの二連でしょうか。また、初めの(「大丈夫さ」と~傘は持っていたが)と最後の(「大丈夫さ」と~傘は持っていたが)、初めと終わりに描かれていることでより悲哀を感じさあせますね。
そして、カバン、靴、時計と日常、毎日の暮らしにかかせない大切なものがパズルのようにはめこまれいるような構築された詩ですね。
まだ、はめこまれていないパズルはあるのかな?



by: t.gray | 2008/11/26 22:20 | URL [編集] | page top↑
# t.grayさん
いつも鋭い見方で、きっとゆっくり読んでくれているのだと
思います。考えて考えて言葉をつなぎますので、僕の詩は
スピードを落として一行を噛みしめるように読むときっと
入り込むと思います。
僕の友人は「広辞苑」と「逆引き広辞苑」ですので、言葉
のもつ意味はとことん追求します。岩波の辞書はいいですよね。
こんど入れるアイテム、パズルは「辞書」ですね、きっと。
英和辞典は「ジーニアス」。このまえ、コンサイスの復刻版を
買おうか迷いましたがやめました。笑
あなたも本が好きなことはわかりますよ。よく理解してますも、
僕のテーマと表現を。ありがとう!
そうなんです!この詩は最初と最後の、そうなんです!
HOBO
by: Mr.HOBO | 2008/11/26 22:39 | URL [編集] | page top↑

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。