fc2ブログ

わからない

丘をのぼると見えるもの
幸せそうな灯りと
木の上に光る雪
ああ 
くりかえすことの意味が
今日をむかえる意味が
わからない

さっき歩いた道を
誰かが歩いた道を歩いている
温もりを探してみるが
すれ違いの音があるだけで
寄り添う風も吹こうとしない
全部ひとのせいにして
逃げだしてしまおうか
わからない

自称賢者の声を耳にしたが
中身の薄さに驚いた
創ることは削いでいく作業だと
自称賢者はわからないのだ
ぼくは君にはなれない
ぼくはぼくにもなれない
だから わからない

液晶の上にあるプライドは
身の丈に等しい平坦な主張だ
名前を変え場所を替えつぎつぎと
よくもまあ さらす恥があるものだ
品格も無い自分じゃない誰かでもない
雑記帳のようなノートを
なぜ破ろうとしないのか
わからない

のぼりつめるものを抱きしめ
果てて行く空しさをまた抱きしめる
埋めようとする隙間を愛というなら
ぼくに愛と呼べるものはない
専用と呼べる愛しきひとを
ぼくはまだ知らない
空しさは止まらない
だから わからないのだ

いまならまだ間に合うと言われ
ぼくはぼくのいるバス停まで走る
だけどぼくがいるはずのバス停にあるものは
見え透いたぼくの抜け殻だったのだ
わからないな

わかってるさと呟き
今日を生きる群れのなかを行く
肩をぶつける勇気もなくて
立ち止まると邪魔になるからと言われた
ぼくは歩くしかない
ぽっかりと空いたぼくの席に
きっと誰かが座るだろうな
ねえ ぼくがこの旅に欠席しても
気づく風あるだろうか

わからない
わからないな

丘をのぼると見えるもの
幸せそうな灯りと
木の上に光る雪
ああ
くりかえすことの意味が
今日をむかえる意味が
わからないのだ


09:46 | GOOD ! | comments (5) | page top↑
肩に積もった白い埃を | top | ガムを噛みながら

コメント

# 管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: | 2009/02/24 17:56 | URL [編集] | page top↑
# No title
丘をのぼると見えるもの  幸せそうな灯りと  木の上に光る雪....
北国の、雪の夜の寂しさと人恋しさは、そこに生まれ育った人でないとわからないものかも知れません。が、HOBOさんの詩はどうしていつも寂しげなのでしょう。ご自分のことではない、stage上のこと、とはおっしゃいますが。
原罪、というもののもたらす寂しさですか?
by: 沈丁花さん | 2009/02/25 00:34 | URL [編集] | page top↑
# 生意気ですが、、、。
いい、いいんじゃないですか。

思いが一杯、つまってる、そんな感じをうけました。

生意気すんません。

じゃ、また。
by: 光隆[こうりゅう。] | 2009/02/26 18:58 | URL [編集] | page top↑
# 沈丁花さんへ
いつもありがとうございます。
寂しい詩ばかりで。
ひとりが好きなんですがね、やっぱり寂しい。
たくさん人がいてもお金があっても、なんか寂しい。
んー、困ったなあ。
HOBO
by: Mr.HOBO | 2009/02/26 23:07 | URL [編集] | page top↑
# こんばんは。
光隆[こうりゅう。]さん
ありがとうございます。
ぜんぜん生意気じゃないですよ!
それどころかこういうコメントのほうが響くな。
なんかわかんないけど、「いい!」みたいな
うれしいっす、こういうの。
またきてください!
HOBO
by: Mr.HOBO | 2009/02/26 23:13 | URL [編集] | page top↑

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する