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風は知っていた

靴を履いた犬を見た
窮屈そうな服を着ていた
幸福そうなのは飼い主のほうだった
犬はすこし太っていた
重そうなカラダをもてあましていた
やはり飼い主も太っていた
納得できる絵だった

「幸福か?」と訊いた
答えは風のなかにあった

営業マンの靴は泣いていた
けして報われる朝は来なかった
すり切れるのは靴底だけじゃなかった
今日もついに心を売ることはできなかった
モノを売るのは好きじゃなかった
思ってもいない世辞を並べた
寒い寒い夜だった

「幸福か?」と訊いた
答えは風のなかにあった

ハイヒールの音がした
ときめきのない誘惑だった
愛がなくても昇りつめた
金縛りはながく続いた
髪の長い女だった
空しい夜を強く抱いた
ぼくは棒になった

「幸福か?」と訊いた
答えは風のなかにあった

脅迫は続いた
どこに行くのか北は孤立した
動かない左手に託す夢はなかった
YESと言わなければ人びとの明日はなかった
そんな明日なら来なきゃいいと思った
王様の瞳は曇っていた
箱舟などなかった

「幸福か?」と訊いた
答えは風のなかにあった

ぼくは君のなかにいた
君はぼくの外側を濡らしていた
内側に染み込む愛がほしいと思った
まるでダダをこねる少年だった
出て行く街に鳥が啼いた
ひとりぽっちの小鳥だった
ぼくはぼくを抱いた

「幸福か?」と訊いた
答えは風のなかにあった

風は今日も吹いていた
「幸福か?」と訊かれて戸惑った
すぐに答えてしまえばきっと楽になれた
思わせぶりな嘘は人を傷つけた
平等だと叫んだら不平等が降ってきた
思いやると泣いてしまう風だった
だからサヨナラだった

「幸福か?」と訊いた
答えは風のなかにあった


01:28 | VERY VERY !!! | comments (9) | page top↑
捨て去るものを抱いて〈再投稿〉 | top | あの山のてっぺんから

コメント

# No title
BOB DYLANも歌った風、
風って 人によって恐ろしく印象が違い驚きます。

空虚だったり、
新しい予感であったり、
古い時間であったり、

思いやると泣いてしまう風だった

HOBOさんの風にちょっと触れたような気持ちになった言葉でした。
by: fishhead | 2009/06/16 00:26 | URL [編集] | page top↑
# 風。
過去、現在、未来、を吹く風。
止むとき。
「答えは風のなかにあった」
導き出す、というのではなく、
そこに在る。
運命にも似た。
そんな感じを受ける詩で、ため息がでました。
とても素敵です。
これからもいろんな風の中で書き続けてくださいね。
by: nora | 2009/06/16 10:20 | URL [編集] | page top↑
# 主題は...
こんにちは
練りに練られた、むだの無い作品ですね
傑作ですね
音楽に例えると第1章から第6章
それぞれが個性を持っていて主題につながっていく
答えは風の中にあった
過去があり、今、現在、そして未来へと
風はすべてを象徴していても息吹であってほしい....


by: t.gray | 2009/06/16 12:25 | URL [編集] | page top↑
# fishheadさんへ
そうですね、ディランは風と雨。
時代のなかをかけめぐる。
以前のコメントのなかで、HOBOといえばディランとか友部正人を
思い出すと言ってくださったことを覚えていますよ。
そう、反戦歌ではなく、HOBO'sSONGとよばれる歌。
ぼくはそんな世界、匂いにあこがれます。
決して増やさないリンク仲間として、それぞれの世界に吹く風の色を
たかめ合っていきましょう。

HOBO
by: Mr.HOBO | 2009/06/16 15:16 | URL [編集] | page top↑
# noraさんへ
お久しぶりです。
ねりあげてできるタイプの作品と、また、「おりてくる」感じの作品とが
ありますが、これは「おりてきた」作品のほうに入るかもしれません。
たいそうなものではありませんが、ぼくはこの作品にVERY VERYをつけて
しまいました。ぼくにとって「特別な」という意味、それがVERY VERYです。
すべて、「た」で終わる文章、しっかりとあたため曲をつけてやろうと思います。

HOBO
by: Mr.HOBO | 2009/06/16 15:25 | URL [編集] | page top↑
# t.grayさんへ
この作品にコメントいただいたことだけで嬉しいです。
もっもっと自分らしい匂いのする作品を創っていきますので
これからもよろしくお願いします。
「ディラン、風をうたう」という本がぼくの部屋にありますが
やはりディランは詩人だと思います。自分の主張を言葉にし、曲をつけ、
演奏し、そして唄う。そんなあこがれのスタイルをぼくは手に入れたのです。
「考える人」そうありたいのです。

HOBO
by: Mr.HOBO | 2009/06/16 15:36 | URL [編集] | page top↑
# 私も傑作だと思います。
「おりてきた」作品だ、とおっしゃるのが
とてもよくわかります。

そういう歌は、こちらの心にも直に届きます。
読ませていただいた瞬間、
「あ、いいな。」って思いました。 

リフレインされる言葉が、こちらの胸をえぐってくる強さを
持っていて、どきっともさせられます。
by: 沈丁花さん | 2009/06/17 00:24 | URL [編集] | page top↑
# 沈丁花さんへ
傑作だなんて、そんなたいそうなモノではありません。
ただ言われるようにリフレインされる言葉が一定であればあるほど、
連の組み立てで、確かに「凄み」がでてきますよね。また、そうじゃないと
リフレインの意味がない。いろんなパターンの生き方、想いをカタチに、
そんな活動がずっと続くのかなと思うとぞくぞくしますね。
どんなカタチにでも変化できる「想い」とは、こころのどこにあるの
でしょうかね。

風はほんとうにそれを知っているのでしょうか?

HOBO
by: Mr.HOBO | 2009/06/17 17:04 | URL [編集] | page top↑
# 管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: | 2009/06/18 00:07 | URL [編集] | page top↑

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