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ペテルブルグの寒くて暗い夜

きのう私は幸福でした
外套の襟から見上げた夜は私に「生きろ!」と言い
銀貨1ルーブルの心をもてあそぶ意地の悪い風は
凍てついた往来の内側を闊歩し
私の指間をゆっくりと過ぎるのです

構内にあるサモワールはうれしそうな音をたて
待ちぼうけと暮らす私を暖めるのです
クリスマスの夜に降る星になにを願おう
いつも天秤の片方にそれを乗せ
今日の幸福の度合いを確かめるのです
「生きろ!」という誰かの声
それは私自身の鼓動なのか
わからない
だから唄うのです

約束を抱えた老婆は空を見上げ
街の自由に群がる黒い鳥を指差すのです
バラライカのむこうに迫りくる明日は灰色で
立ちはだかる今日の壁に老婆は顔を埋めるのです
「生きろ!」という誰かの声
それは私自身の鼓動なのか
わからない
だから唄うのです

きのう私は幸福でした
そう想えば今日も生きられるのです
ペテルブルグの寒くて暗い夜
遠く ドストの声が聴こえ


00:46 | VERY VERY !!! | comments (5) | page top↑

片道1000kmの道のりを

記者は誰かの死亡記事の締め切りで急いでいた
予想外の出来事でとてもあわてていた
デスクはイライラの極地になった
約束したデートに行けなくなったと
こころの奥で舌をならした
死亡したのが誰であってもよかった
著名な歌手の自殺などめずらしいことじゃない
ただこなすだけの仕事に不満などなく
流される自分をむしろ愛していた
言われたことをすれば褒めてもらえる
そこに自分を入れ込む必要などないのだから


社長は自分の子供が不登校だということを知らなかった
とうぜん悩み事の核心など知る由もない
なにを憎みなにに脅え何を探しているのかも知らない
要するにそんなやつに管理されている会社だからのびないのだ
社長は自分の子供に問いかけたという
「学校に嫌いなやつでもいるのか?」と
子供はあきれたような顔をして
「パパがいちばん嫌いだ!」と
大きな椅子に座ることの意味を考えたほうがいいな
高い所から見下ろす景色に酔いしれる暇があったら歯でも磨け
歯ぎしりの隙間からもれる完璧なる無知をさらして
茶番のような一日を明日も抱きしめるといい
家族を守ることのできないお前についてくる部下はない
会社を守ることのできないお前についてくる家族はない


これ以上嘘はつかないでほしいとみんなで手紙を書こう
出来なかったでは済まないと解っているならここで舌を切ってもらおう
約束はそれほど厳しいものだと命をかけて唄ったはずだ
こころ踊るような国にしてくれと頼んだわけじゃない
正義だけがまかり通るかたぐるしい話をしたわけじゃない
あふれ出る水を抑える手はいくらでもあるのに
やはり偉くなるとひとは下から湧き出る愛を聴かない
この茶番を子供たちによく見てもらうがいい
この失態を老人たちの耳にやさしくしずかに届けてほしい


死亡記事の締め切りに追われる記者がいた
子供に嫌いだと言われても気づけない社長もいる
無責任な顔をしてるが決してかれらは馬鹿じゃない
馬鹿の上にそれ以上の馬鹿がいるから
なんとなくつじつまが合う物語ができるのだ
不登校の子供よ 君はひとりじゃない
死んでいったカリスマよ さようなら
大きな椅子に座るピエロのような君よ 幸せに
この船の舵をとる愛に乏しきリーダーよ バカヤロー
おれはただ この片道1000kmの道のりを
無料で走ってみたいと強く強く願うのだ


おれはただ この片道1000kmの道のりを
無料で走ってみたいのだ
10:09 | GOOD ! | comments (5) | page top↑

風を眺めて暮らす朝には

難しくなる生き方でした
簡単に生きていけたらいいのでしょうが
それができないわたしでした
朝焼けの向こうに何色の今日があるのでしょう?
想うだけで淋しいのです
「わたしより好きな人がいるの?」と
問いかけてばかりの毎日でした


凸凹なこころですから陰ができました
わたしはいつもその陰に隠れて生きてきました
水を飲んでも喉は渇きました
カサカサになったわたしの声は届いたのでしょうか?
それとも届かず川の水になったのでしょうか?
「わたしよりも好きな人がいるの?」と
いつも泣いてばかりの毎日でした


ときおりわたしの庭にくる風がありました
風はわたしの髪を撫で 軽く肩をたたき
わたしをテラスの白い椅子へと誘うのです
風は 唄い 奏で 佇み そして
病のようなわたしの胸にまた凸凹をつくるのです
「わたしより好きな人がいるの?」と
手のひらに書き記す毎日でした


あれはブラームスの子守り唄でしょうか?
とても静かな調べでした
眠ればおそらく見えてくる朝に
わたしは何を求めましょう?
風を眺めて暮らす朝には
「わたしより好きな人がいるの?」と
わたしだけの朝に問いかけるのです



22:45 | VERY VERY !!! | comments (6) | page top↑

君の声が聴こえる窓辺に
そっと花を飾ろうかな
それは名のない花で
控えめであればあるほど いいな
見上げれば吸い込まれそうな空に
つぶやくように咲く白い花
君が居たはずの窓辺に

やっと咲いた花は空を見上げ
風の強さを確かめる
風は心ない意地悪をして
からかうように 笑うのかな

ねえ できれば僕が寝ている間に
君をさらってくれないかな
出窓に散らばる花びらを見て
泪するなんて いやだもの
やっとの思いで咲いた花
そう 文句なしに美しい
外側に散る花びらと
内側に咲く何かがある
だから それは
控えめであればあるほど いいな
00:25 | GOOD ! | comments (9) | page top↑

詩人のうた

詩人は街の酒場で飲んだくれていた
身に覚えのある悪意を腹の底に抱いていた
くだらない店を何件もはしごした

冬になると詩人はマフラーを外し耳の鼓膜に鉛筆で穴をあけた
春になると憂鬱の影は輪を広げて幻想よりもっとでかい夢をみた

詩人は雨の道に寝転んでいた
かかとの隙間にうす汚い過去を連れていた
やるせない想いが拳を握らせた

夏になると詩人は靴を脱ぎ捨て砂漠の果てまで泳いでいった
秋になると人恋しさに淋しい淋しいと泣いた


03:59 | GOOD ! | comments (3) | page top↑

9月の空に

こんな空っぽの頭でも
考えることだってあるんだ
部屋の真ん中に座っていても
空の青さはわかるんだよ
屋根の上の独りぽっちの雲
今にも泣きだしそう
さっきはぐれた小さな雲を
きっと探しているのだろう


君が泣くのを待ってるみたいで
なんだか胸が痛いんだ
見て見ないふりをしてるのが
一番らくでいいのだが
君とはぐれたかわいい雲は
きっと帰ってこないと思う
だって通りすがりの気ままな風に
ついて行ってしまったのだから


いつかまた別の空で
出会うこともあるだろう
屋根の上の独りぽっちの君に
きっと気付いてくれるだろう
雲は少しだけほほえんで
君の上をゆっくりと歩きながら
そうだ!いつか共に旅した9月の空を
想い出すのかもしれない

02:00 | VERY VERY !!! | comments (18) | page top↑

わたしという花

近道も遠回りもない
ぜったいといえるものを抱いていた
ぜったいといえるものとは誰の身にも
誰の身にも訪れる
わたしも必ずそこへ行く


わたしを創り上げる細胞のひとつをつまんで
空のむこうの遥かに飛ばした
いつかそれが雨の粒に紛れ
疲れきった大地に舞い戻る
きっときっと舞い戻る
ねえ
わたしが花になったことは内緒よ
風にふるえ寒そうな花
まっすぐな畝に並ぶたくさんの花
太陽の叱咤に眩しそうな花
笑うように咲く花
ねえ
いちばん嬉しそうな花がわたしよ
べつの空からわたしをみつけてほしい
もしもわたしが泣いていたら
すこしだけでいいから手をふってほしいな
わたしはあなたを忘れない


近道も遠回りもない
ぜったいといえるものを抱いていた
ぜったいといえるものとは誰の身にも
誰の身にも訪れる
わたしは必ずそこへ行く



19:20 | VERY GOOD !! | comments (6) | page top↑
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